pinterest

2017年3月30日木曜日

今シーズンのF-1要注目はロリー・バーンのフェラーリ対エイドリアン・ニューウィーのレッドブルによるデザイナー対決か?

今シーズンのF-1グランプリ第1戦オーストラリアGPでは、セバスチャン・ベッテルによりフェラーリが2015年シンガポール以来の優勝となった。開幕前のテストから高調だったフェラーリの速さは本物という印象だが、雑誌F-1速報の記事によると、今シーズンのフェラーリのマシン設計には、ロリ―・バーンが関わっているという。ロリ―・バーンといえば、1990年代~2000年代のミハエル・シューマッハのベネトンとフェラーリにおける成功の立役者となったトップデザイナーの一人だ。その後一時引退していたが、2013年からF-1に復帰していたようだ。

ロリ―・バーン(Wikipediaより)

今シーズン最も注目されているトップデザイナーは、いうまでもなくレッドブルのエイドリアン・ニューウィーだが、レギュレーション変更で空力が再び重要性を増した今シーズンに、二人の天才デザイナーが力を発揮することになっているのは非常に興味深い。

ロリ―・バーンのF-1初期の戦歴としては、アイルトン・セナが1984年にF-1デビューしたトールマンTG184がある。その後トールマンは買収されてベネトン・フォーミュラとなり、1992年ミハエル・シューマッハに初勝利をもたらしたB192、そしてB193Bを経て、1994年ドライバーズチャンピオンをもたらしたB194、翌1995年にドライバーズチャンピオン、コンストラクターズチャンピオン両方を獲得したB195をデザインした。

1995年のベネトンB195(Wikipediaより)

その後、ミハエル・シューマッハが低迷していたフェラーリに移籍し、頂点へと引き戻すために引き抜かれ、シューマッハに説得されて隠居生活から復帰した。

一方、エイドリアン・ニューウィーは、そのロリ―・バーンのマシンによるタイトル獲得の間隙を縫うように、チャンピオンマシンをつくっているのだ。1992年のウィリアムズFW14B、1993年のFW15C、2年にわたってドライバーズタイトル、コンストラクターズタイトルの両方を獲得している。

エイドリアン・ニューウィー(Wikipediaより)

1992年のウィリアムズFW14B(Wikipediaより)

1996年もウィリアムズで両タイトル獲得、1997年にウィリアムズを離れてマクラーレン入りし、翌1998年と1999年にミカ・ハッキネンにドライバーズタイトルを獲らせた。

1998年のマクラーレンMP4-14

2000年にはロリ―・バーンが加入したフェラーリが低迷から復活し、シューマッハによってドライバーズタイトル、その後何と2004年まで5年連続のタイトル獲得をした。

2004年のフェラーリF2004(Wikipediaより)

その後ロリ―・バーンは引退、2006年にニューウィーはレッドブルに移籍、すぐには結果は出なかったが、2010年にダブルタイトル、その後2013年までダブルタイトルを獲得し続けた。

2011年のレッドブルRB7(Wikipediaより)

こうしてみると、1992年ニューウィーのタイトル獲得から現在まで、ロリ―・バーンとエイドリアン・ニューウィーがタイトルを獲得していない年は、1997年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2014年、2015年、2016年と、25年間で9年間しかないのだ。2014年から昨年まで圧倒的な強さを保ったメルセデスに対してフェラーリ、レッドブルがどれだけ対抗できるかまだ予断を許さないが、この二人の天才デザイナーが大いに力を発揮して、F-1グランプリを盛り上げてくれることを期待したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿